2011年08月18日

運動学習における文脈干渉効果とERP

第63回研究会
日時 :2011年7月30日(土)16:30-17:30
場所  :早稲田大学スポーツ科学部
演者  :對間直也さん
     早稲田大学大学院スポーツ科学研究科修士1年
演題 :運動学習における文脈干渉効果とERP

発表要旨

運動学習における文脈干渉効果は,複数の動作課題をそれぞれブロック化して練習するよりも,試行毎にランダムな順序で練習した方が,練習期のパフォーマンスは低いものの,その後の保持テストではパフォーマンスが逆転するという現象であり,多くの実験で立証されてきた.今回,文脈干渉効果に関与するERPを測定したので報告した.本実験では,従来の文脈干渉研究で使われてきた,目標時間通りにボタンを4回押すタッピング課題(Wulf & Lee,1993)を用いた.その結果,タイミングの異なる3課題の中,2課題で文脈干渉効果を確認した.これら2課題では,4回目のボタン押しによって惹起した陰性電位に練習スケジュールの効果が認められ,ランダム群の方がブロック群よりも振幅値は大きかった.練習期では,ランダム群の方がブロック群よりも精緻な脳内情報処理が要求されることに起因したものと推察される.この陰性電位は,運動関連脳電位(movement-related cortical potential:MRCP)のなかでも末梢からの感覚フィードバックを反映した成分であると考えられる.一方,陰性電位直後に生じた陽性電位はブロック群の方が大きく,スキルレベルを反映したSPP(skilled performance positivity)である可能性を論じた.本研究の結果から,ボタン押し動作に伴う陰性電位の振幅値は情報処理の負荷量を反映し,スキル保持を促進することが示唆された.また,反応直後に生じる陽性電位の振幅値はスキルレベルを反映することが示唆された.
ラベル:要旨
posted by wps at 14:48| 東京 ☀| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする